いつもの朝?

タタミ王国物語


 − いつもの朝…? −

いつものように朝を迎えたカオリは、あの夢を思い出してはなんだったのか考えた。しかし、考えても夢の中の事…

「ただの夢よね…」
そう言い聞かせて、いつものように学校へ出かけた。
「おはようオモテ君ウラン君。ピース君も一緒ね!」

「おはようカオリちゃん。」
いつもは聞かない、聞き覚えのある声がした。振り向くと、

「あら、おはよう!ジュウ君久しぶりね。今日からまた学校に来れるのね。」

「そうなんだ、パパの仕事も一段落してね。当分僕も行かなくてよさそうだからまた、皆と楽しめるよ。ラグも帰ってきたから一緒に来るよ。」

「またにぎやかになるわね。」
カオリは笑って答えた。

「あれ、新しい顔かな?」

「そうなの、ジュウ君紹介するわね。ピース君よ。」

「ジュウです。ピース君よろしく。」

「よろしく、ジュウ君。」

オモテがピースに話しかけた。

「ジュウの父さんは黄色の王国で仕事をしてるんだ。ジュウは父さんに付いて、少しずつ仕事を覚えてるんだ。」

続けてウランが、
「ジュウ君ってすごいよね。とっても勉強家なんだ。ラグ君は遅いね。」

「ラグ君って…」

ピースが聞くと

「ラグ君はジュウ君の所で技術を勉強してるんだ。えっと…」

カオリが続けた。

「ラグ君は、手織りの絨毯を覚えてる最中なのよ。絨毯ってとっても綺麗で素敵なのよ。」

「へ〜絨毯って綺麗な大きな敷物の事?すごいよね。」

ピースが感心していると、話の彼が急いで走って来るのが見えた。

ジュウが叫んだ。

「ラグ遅いじゃないか。寝坊でもしたのか?」

「本当、危うく寝過ごすところだったよ〜。」

ラグが息を切らしてやってきた。

「みんなおはよう。今日からよろしく。」


カネの音とともにザクイ先生が入ってきた。

「皆さんおはよう!さぁ〜席について〜。」

教室を見回して、先生が話し始めた。

「今日からジュウ君とラグ君も一緒にお勉強しますからね〜二人とも新しく入ったピース君とも仲良くしてね。仲間も増えて賑やかになるわね!」

教室は賑やかに話し声が続いている。

カオリはふとミューミューの方を見た。窓の外が気になっているようだ。外には、アンジェ、あの白い猫が座っていた。


夕べの夢があまりにもリアルすぎて気になった。そのうちにあの白い猫の仲間も現れるのだろうか…

やはり、いつもと違うような、いつもと違う気がしてならなかった。


 カオリはあの夢ので眠れなかったせいか、熟睡でき、気持ちの良い朝を迎えた。

又、思い出した。あの夢に出てきた猫、ミューミューがアンジェと名付けた猫は別の顔があるのか…


元気よくいつものように学校へ出かけた。
久しぶりに見る顔が揃った今日は、放課後も話が盛り上がっていた。
もちろん皆で遊びの計画だ。

「王国の外れにある黄色の丘の塔は登ったことある?」
オモテがジュウに聞いた。
「前から登ってみたくてさ〜」


「あそこは、入ったら駄目だよ。父さんにも言われたじゃないか。」
ウランが言った。

「駄目だと言われると行きたくなるんだよね!」

ウランはオモテをにらみつけた。
するとジュウが

「なんだかわかるよ、オモテ君。あの塔の上には古くから伝わる宝があるらしいよ。かおりちゃん、ターミーから何か聞いてない?」

「私も詳しくは知らないけど…塔は古くて、いつ壊れるかわからないし危ないから近づくなって言われてる。それくらいかな。」

「そんなに簡単に壊れる造りにはなってないはずだけど。」
ラグが話しだした。

「僕の父さんは、あの塔の補修を手伝った事があるんだ。簡単には壊れないように設計してあるらしいよ。この建物は守らなくてはいけないって言ってた。」

「あの古い塔を守る、何で必要があるのか…?」
ジュウが腕を組んで考えている。

「ラグ、他に何か聞いてないか?」

「う〜ん。
僕も小さい時に聞いたことだからあまり覚えてなくて…。母さんは、父さんは黄色の丘の塔を補修する名誉な仕事を任されてるって自慢げに話してたな〜」

「あそこには何かあるんじゃないか!?」
オモテはにっこり笑って言った。

「ジュウ君、黄色の丘の塔に行ってみないか?」
ジュウもオモテと同じ気持ちだった。にっこり笑ってうなずいた。



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〜タタミ王国物語〜
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